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《忘れないため情報の再発信》

【惨劇の記憶】ウクライナのホロドモール虐殺国立博物館について

東ヨーロッパに位置する国ウクライナの首都キエフにはホロドモール虐殺国立博物館という場所があるそうです。

 


その場所が作られた経緯は1922年の建国から10年が過ぎようとしていたソ連の領土内において、1932年から1933年にかけて歴史的な悲劇がに遡ります。

 

当時スターリン政権下の旧ソ連の一部であったウクライナを中心に大規模な飢餓が発生したというものです。ソ連当局はウクライナの農民たちが必要とする穀物やその備蓄を没収し彼らの移動を制限し、抵抗するものに対しては処刑を含む容赦なく重い刑罰が科されました。それら一連の出来事による犠牲者の正確な数は現在まで議論が続いていますが、博物館のサイトでは少なくとも700万人以上の尊い命が奪われたとされています。


なお2006年にウクライナ議会はホロドモールをウクライナ民族に対するジェノサイド、大虐殺であるとして認定しました。またそれ以前にウクライナは国連総会で採択されたジェノサイド条約に1949年に署名し1954年に批准していました。その後の調査でホロドモールはウクライナソ連からの独立を抑止するための手段として用いられたとされています。


そしてこの歴史的な悲劇を風化させず再び繰り返されないことを目的にホロドモール虐殺国立博物館は2009年4月22日に当初は「ウクライナホロドモール犠牲者記念館」という名で設立されました。また博物館は次世代にそういった出来事があったことを教育するといったことやホロドモールについて引き続き調査するといった役割も担っています。また博物館周辺には様々なモニュメントが設置されており、なかでも広場中央に設置された「幼少期の苦い記憶」と呼ばれる悲しげな少女の像が一番印象的なのではないでしょうか。


ちなみに当時ホロドモールが国中を覆っていたウクライナにイギリス人ジャーナリストのガレス・ジョーンズが潜入しその惨状を目の当たりにしました。この出来事は「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」というタイトルで映画化され日本国内では2020年に公開されました。


自分もこの場所を人生のうち一度は訪れておきたいと考えています。